シャネルの歴史

それでは、年表別に見ていきたいと思います。

1883年、ココ・シャネルはフランス南西部オーヴェルニュ地方に生まれました。

父親は行商人で、母親が幼少期に他界したため、ココ・シャネルは孤児院や修道院で育ちました。この環境下で洋裁の技術を身につけました。

1905年当時、踊り子を目指してキャバレーで働いており、シャネルの美貌が話題となりました。

人気者となったシャネルは、ミドルネームのココと呼ばれるようになりました。

これがその後に有名となるココ・シャネルのモノグラムの由来です。

また、キャバレー時代に出会った青年実業家カペルからの出資を受け、帽子屋の開業にこぎ着けます。

「シャネル・モード」と名付けられた店は、当時の主流であった豪華な装飾が施されたものとは対照的に、シンプルなデザイン性の高い帽子で、人気を得て事業は成功しました。

自身の生き様やスタイルを打ち出す斬新なカリスマ性を武器に、帽子から洋服へと徐々にその規模を拡大させていきました。

1915年、フランスのビアリッツ(Biarritz)に初めてのクチュールハウスをオープンしました。

5年後にはパリのカンボン通り31番地にクチュールハウスを出店しました。

1919年、クチュリエとしてオートクチュールのコレクションを発表しました。

シックで機能性を追求したデザインは革新的で、そのシンプルさは「女性の解放」の象徴であり、文化的側面からも高い評価を受けました。

ココ・シャネルの示したファッション哲学は、女性の社会進出のシンボル的存在となりました。

事業は大成功をおさめ、一躍大企業へと成長していきます。

第2次世界大戦が勃発した際、従業員のストライキもあり、香水、アクセサリー部門を残して、ブティックは閉鎖せざるを得ませんでした。

シャネルは一時スイスに亡命しました。フランスの大手化粧品会社のオーナーで、シャネルのビジネスパートナーであったヴェルタイマーはアメリカに逃れ、シャネルの香水事業を継続しました。

大戦終了後の1954年、ココ・シャネルが70歳を過ぎてブティックを再開するにあたり、ヴェルタイマーの支援を受けました。

しかし、以前と変わらないスタイルで、フランスでの評価は低かったのです。一方、アメリカでは実用的な服が好まれており、マリリン・モンローなどの影響により、シャネルの評価が高まっていきました。

ブランドは再興し、その後も革新的なアイテムを続々と発表しました。

ココ・シャネルが87歳で死去。

その後、1983年にカール・ラガーフェルドがアーティスティック・ディレクターに就任しました。

2019年2月、彼の逝去にともない、30年来の右腕として活躍してきたヴィルジニー・ヴィアール（Virginie Viard）が新たなアーティスティック・ディレクターに就任します。